雨のち晴れ

X-Dayへのカウントダウン。いつどうなるか。

それをブルーと人は言う①

そんなこんなで

結婚するつもりではなかった返事を

プロポーズのOKの返事かと勘違いした彼は

あっという間に結婚計画を実行した。

 

若かった自分に

これから起こる苦労を想定できるわけもなく。

 

今になっては本当に

「やーめた!」と言えたらよかったが、

周りの同級生たちが前後に結婚したという背景も関係している。

よっぽどの酷いことがない限り、言えない。

そういうものかもしれない。

 

 

マリッジブルーも、

マタニティブルーもある。

 

 

なんでこの人は

こんなことぐらいわからないのだろうか

憤慨したことなんてザラにあるのだ。

 

 

そんなマタニティブルーの真っ最中、

臨月に入った頃に事件は起きた。

 

 

ある不倫ドラマが放映していた。

夕飯時に二人で見ていると急に涙ぐむ彼。

ではない。

、である。

 

 

「なんか思い出してな…」

 

 

そう言うと急に立ち上がり、自室へと歩いて行った。

そして小さな段ボール箱を抱えて戻ってきた。

 

2度の引越で何が入っているのか明記もせずに運び、

自室に仕舞っていた謎の箱だ。

 

ずっと気になってはいたが、中身はわからなかった。

 

何を思い出したのかと言うと、

彼が不倫をしていた時代の記憶だという。

結婚前にそんな恋があったと話していたのを聞いた。

 

 

私と出会う前、彼の前職場でのことだ。

年上の女性と関係があり、

秘密裏にメモのやり取りをしていた。

 

そのメモというのが、女子が授業中に回すものと

変わらないような切れ端のような形態のもの。

 

 

それは大量にそこに入っていたのだ。